読書感想文「プリズム」百田尚樹
久々に百田尚樹さんの本を読みました。
氏の身辺は、最近なんだかんだ騒がしいようですが・・・
タイトルは「プリズム」。
「解離性同一性障害」、所謂多重人格者と主人公の女性との物語です。
一見、ありえない話と思われますが、多重人格者がこの世に実在するのなら、レアケースとはいえ、こういう事態も起こりえるんでしょうか?
かつて、数学を学んだとある人妻が、家庭教師として派遣された先で、多重人格者と出会い、その中の一つの人格と恋に落ちてしまうという、なんともややこしい話です。
毎回申し上げているように、百田氏の作品は「文芸モノ」(失礼ながら文学ではない。読み物として面白いという意味です。)として秀逸だと思います。あと、我々が全く知らない世界、例えばスズメバチの生態や美容整形の実態を見せてくれ勉強にもなります。
今回の作品も、話がテンポ良く進んでいき、読みやすかったのですが、私的には残念ながら以前の作品と比較して、あまりピンときませんでした。
それは何故かと考えると・・・
主人公の女性が非常に「あざとく」感じたからでしょうか。なんとなくその女性の独りよがりなところが鼻につくというか、全く共感できずハイハイという感じでしたね。おまけに相手の男の人格は、数ある人格の中での「理想人格」なのですが、そっちも相当あざとい。。。
まぁこれはあくまで私見なので、多重人格というものにご興味がある方は是非その世界を覗いてみられては?