需要と供給②
<昨日から続く>
表向きは、ロシアの小麦凶作によって供給がタイトである上、欧州域内の需要が活発というものでした。
しかし・・・
その同時期に中国出張へ行ったのですが、中国市場では欧州産澱粉が溢れていました。要するに、中国を筆頭とする新興国からの引き合いが盛況で、中国には売るけど日本には売れないということ。今まで日本市場はアジアの核だったが、そういう時代は終わった、日本は成熟市場なので今後の伸びは期待できないからもう興味がない、ということでしょうね?
今まで欧州サプライヤーと日本市場は持ちつ持たれつの、密月といえる関係でしたが、市場構造の変化であっという間に状況が変わりました。ほんと、ビジネスの世界は非情です。
私が頻繁に仕事で訪中するということは、皆さんもご存知かと思いますが、冗談抜きで彼の国は急激に生活水準が上がっていると実感できます。ここ2,3年で例えば地方都市にいままでなかったコーヒー屋(中国人は基本コーヒーを好みません。)が出現したり、イタリアンレストランがオープンしたり、それまでは皆無だった食後のデザート(洋風)まで嗜むようになりました。
最近感じるのは中間層的なボリュームゾーンが増えてきたな?と思うこと。日系ラーメン屋へ行っても、今までいなかった若いカップルなんかが麺をすすっています。
ご承知の通り、彼らの食欲は非常に旺盛です。また悪習といいますか、彼らは宴席のとき最後に食べ物がテーブルに残っているというのが、客人に対してのマナーです。いつも満腹になっても、更に餃子などを注文したりして、ほぼそれが更に残っているなんて当たり前です。
それでも、今はまだ、粗末なものしか食べれない人々が大半で何とか需給が回っていますが、13億人が満腹食べるようになったら?と思うとぞっとします。
知識人たちは、中国経済が程なく崩壊するから大丈夫!と主張しますが、仮に経済崩壊→共産党が倒れるとなっても、彼らはバラバラになって今以上好き放題するだけですし、そもそも政治経済と胃袋(本能の部分)は別物ではないでしょうか?一度美味しいものの味をおぼえたら、粗食に耐えられるでしょうか?
いつの日か、中国人が豪勢な食事をしている一方、日本人が「ごはん・味噌汁・メザシ」生活になるんじゃないかと(健康的ですが)心配です。黒マグロを食べに中国に行ってきます、みたいな?
島の領有権も国にとっては非常に重要ですが、食の危機管理もしっかりやっていただきたいものです。
「胃袋優先」でこういうことを考える私は、やはり口卑しいんでしょうね。。。