読書感想文「ドールハウス」 姫野カオルコ
前回の「ツ、イ、ラ、ク」に続いて、今回も姫野カオルコさんの「ドールハウス」という作品を読みました。
そういえば、先日テレビを見ていると姫野さんが出演していて、そのネガティブキャラ全開でしたね。けれども私的に作品を読んでいると、もっともっとネガティブと言いますか、心底暗い感じをイメージしていたので失礼ながら思いのほか普通な感じでギャップを感じてしまいました。
この作品はなんでも、彼女自身の3部作の一作だそうです。物語はいまどき恐ろしくストイックな生活を送る妙齢の女性が自我に目覚めていくという風なストーリーです。正直なところ、そこまで抑圧的な生活というのは奇想天外な気もしましたが、一方で現実世界で全くあり得ないシチュエーションではないかもな?という気もします。
わがままな両親(両親ともちょっとイカレテいます。)への絶対的服従や空虚な他人との人間関係、希薄な恋愛感情の中で、それでも図書館司書として黙々と毎日を暮らしていく。そういうのは、私には想像もつきませんが、案外知っているようで他人のプライベートってほとんど見えませんし、ひょうんなことで何かが垣間見えたとき、驚くこともままありますもんね?
彼女は最終的にそんな生活からの脱却を図るわけですが、その将来は如何に?
また近いうちに、姫野カオルコさんの違う作品を読んでみようと思っています。