小薮浩二郎氏 著 「食品業界は今日も、やりたい放題」③
実は、弊社は全国加工澱粉工業協同組合に加盟している、「加工デンプン」のメーカーです。しかし残念なことに食品用の加工デンプンは製造しておりません。加工デンプンというものは、食品用だけではなく、工業用途にも幅広く使用されます。むしろその発展は工業用途が先んじていたのではないでしょうか?
前述の通り、加工デンプンは突然現れた添加物ではありません。加工デンプンという言葉も、大昔からあります。ただ化工という文字が加工に置き換わったので、小薮氏のように不信感をもたれる方も多いかもしれませんね。
氏の著作では加工デンプンについて、刺激的な表現が用いられていますが、曰く、化学的に変性されたものを食するのは危ないということでしょうか?私は、氏のご意見を否定するつもりはありません。しかし、「合成添加物」という表現には違和感を覚えますし、加工デンプンが食品メーカーの謀略により使用されているわけでもありません。食品メーカーは日々、自社製品の品質向上に注力されていて、その過程で加工デンプンが選択されるわけです。
食品原料業界に身を置く者として、確かに危なそうな食品添加物は正直たくさんあります。加工デンプンの中でも、アジピン酸やヒドロキシプロピルの加工は議論の余地がありそうですが、そのようなものの添加量はわずかなものだと思います。欧米ではベビーフードにも加工デンプンは使用されています。その子たちの将来は如何に?
食の安全は自分自身で確保しなければならないという、単純明快で究極な結論しかない、ということでしょうか?まぁ、グレーゾーンを排除していくと、正直、食べれるものはありませんけどね。
農村へ移住してオーガニックで自給自足でも、土壌の問題とかいろいろある世の中ですからね。<完>